月開発に向け、宇宙資源法案を前向きに検討か【週刊宇宙ビジネスニュース 6/1〜6/7】
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Northrop Grumman 月軌道ゲートウェーの居住用モジュール設計を受注
6月2日、NASAは、月を周回する有人拠点「月軌道プラットフォーム・ゲートウェイ」の初期の有人モジュール (Habitation and Logistics Outpost , 以下HALO)の開発先に、Northrop Grumman(ノース・グロップマン)を選出したことを発表しました。
Northrop Grummanは、戦闘機や軍艦を手掛ける米国の軍需メーカー。アルテミス計画には、有人着陸システムの開発にもBlue Originが主契約者として選出された連合チームに、Lockheed Martin(ロッキード・マーチン)とDraper(ドラッパー)とともに参画しています。
今回の契約金は、機能要件定義とシステムの仕様設計のレビューまでで、1億8700万ドル。2020年末までに完了する予定です。
NASAのジム・ブリデンステイン長官は「HALOはアルテミス計画における主要なコンポーネントであり、将来の有人火星ミッションを見据えた月面探査を促進する」とコメントしています。
HALOに電力と通信を提供する装置(Power and Propulsion Element, 以下PPE)の開発には、2019年5月にMaxar Technologies(マクサー・テクノロジズ)が選出されています。
HALOとPPEがゲートウェイの最初のコンポーネントで、2023年に同時に打ち上げられる予定です。また、NASAによると輸送サービスのプロバイダーは2020年末までに選出するとのことです。
Perseveranceの打ち上げ日が7月17日に決定
NASAの次世代火星探査ローバー「Perseverance(パーセビアランス)」の打ち上げが予定通り7月17日に実施する方針を明らかになりました。
Perseveranceは、ULAのアトラスVによって打ち上げられ、湖が存在していたと考えられているジェゼロクレーターに2021年2月に着陸する予定です。生命の痕跡の調査や地質の分析がミッションとしてあげられています。
また、7月15日には、H-ⅡAロケットによるドバイ政府宇宙機関の火星探査機「HOPE」の打ち上げが予定されているほか、中国の「Tianwen-1」の打ち上げを7〜8月に予定されています。各国の成果が楽しみです。
宇宙資源の所有権を認める新法案に進展
6月2日、自民党の宇宙・海洋開発特別委員会が、民間企業が月面で採掘した資源の所有権を認める法案の骨子をまとめたと報道がありました。
2015年に米国、次いで2017年にはルクセンブルクが、民間企業が月面で採掘した資源の所有権を認める法律を制定しました。国内においても、2018年頃から新法制定を視野に有識者会議が開催され、議論が進められてきました。
宇宙空間および天体の探査と利用に関する基本原則を定めた「宇宙条約」では、いずれの国家も、その領有権を主張できないことが明記されています。
一方で、世界的な宇宙法学者によって構成される国際宇宙法学会(International Institute of Space Law, 通称 IISL)が、米国が宇宙資源に関する新法を制定した際に発表したポジションペーパーでは、国際法の下で宇宙資源に対する所有権は否定されない旨を明らかにしています。
冒頭で紹介したゲートウェイや火星探査のほか、2021年以降、Intuitive MachinesやAstroboticがランダー(着陸船)を月面に着陸させる予定です。日本においても、将来的に月面での資源採掘を計画している日本の宇宙ベンチャー・ispaceが2021年と2023年に、ランダーを着陸させ、月面探査を実施します。
民間企業の参入を促進し、月面開発の主導権を逃さないためにも、法整備が急がれています。
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参考
NASA Awards Northrop Grumman Artemis Contract for Gateway Crew Cabin
Northrop Grumman Awarded NASA Contract to Provide First Crew Module for Artemis Program Gateway
Northrop Grumman snags $187 million to design NASA's lunar Gateway habitat for astronauts
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