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SpaceXがアルテミス計画における月面着陸船(HLS)の契約を獲得 【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/04/12〜04/18】

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NASAが月面着陸船(HLS)の主契約企業としてSpaceXを採択

NASAは4月17日に、アルテミス計画において月面に人類を着陸させるシステム(HLS)を開発する主契約企業をSpaceX1社に決定したと発表しました。契約総額は28.9億ドル(約3100億円)です。2024年に2名の米国人宇宙飛行士が、SpaceXが現在開発中のStarshipでアポロ計画以来52年ぶりとなる有人月面着陸を果たす予定です。

探査計画の概要は以下の通りです。

NASAが開発中の大型ロケットSLSで4人の宇宙飛行士をOrion宇宙船に乗せて打ち上げ、数日間かけて月周回軌道まで運搬します。その後2名の宇宙飛行士が月周回軌道上でSpaceXのStarshipに乗り換え、月面着陸を果たします。着陸後、月面を約1週間探索した後、Starshipで月周回軌道に戻り、Orion宇宙船で地球に帰還します。

HLSの開発には、次世代宇宙探査技術パートナーシップ:Next Space Technologies for Exploration Partnerships (NextSTEP-2) のもとで、

  1. ・SpaceX
    Dynetics
    Blue Originを中心としたナショナルチーム

の3社が選ばれており、上記3社から複数社を採択する予定でした。

しかし、今回の採択に関するSource Selection Statementによると、NASAがHLSについて獲得した予算が想定よりも少なく、本来は2社採択させて競争環境を作る予定だったものが、1社しか採択できなかったようです。(米国議会が2021年度のHLSに出した予算は、概算要求の1/4の約850万ドル。)

今回のNASAの採択には、以下の5つの指標が活用されています。
【Outstanding・Very Good・Acceptable・Marginal・Unacceptable】

技術評価に関しては、

  1. ・Blue Origin:Acceptable
    ・Dynetics:Marginal
    ・SpaceX:Acceptable

マネジメント評価に関しては、

  1. ・Blue Origin:Very Good
    ・Dynetics:Very Good
    ・SpaceX:Outstanding

という結果になっています。

また、3社の中で一番提案金額が低かったのはSpaceXだったようです。

既に開発中のStarshipを月面着陸にも活用することで低価格での着陸船開発を示し、NASAの契約を勝ち取ったSpaceX。アルテミス計画における重要な役割を担うことになったStarshipの開発に引き続き注目です。

月面に着陸するStarshipのイメージ図 Credit : Steve Jurvetson Source : https://www.flickr.com/photos/jurvetson/51120885480/

SpaceXと月面探査に関連して、もう一つニュースがありました。
月面着陸船を開発するAstroboticが、2023年後半に月面着陸機Griffinを打ち上げるロケットとして、SpaceXのFalcon Heavyを選択したことを発表しました。Griffinには、NASAの探査ローバー”Volatiles Investigating Polar Exploration Rover”(VIPER)が搭載されます。

アルテミス計画においてNASAの契約だけではなく、民間企業が開発するローバーの打ち上げ計画についても受注を広げ、更に存在感を増すSpaceX。とどまることのないSpaceXの躍進に目が離せません。

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