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Space Perspectiveが4000万ドルの資金調達。高高度気球を用いた成層圏旅行の商業化へ前進【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/10/11〜10/17】

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Space Perspectiveが4000万ドルの資金調達。高高度気球を用いた成層圏旅行の商業化へ前進

高高度気球による模擬宇宙旅行サービスに取り組んでいるSpace Perspectiveが、シリーズAの資金調達を実施し4000万ドル(約46億円)を獲得したと発表しました。今回の資金調達は、ディープテック部門のスタートアップへの投資を専門にするPrime Movers Labがリードインベスターを務め、合計10社がラウンドに参加しました。10社の中には、任天堂株式会社の創業家である山内家一族が設立したYamauchi No.10 Family Officeが含まれており、同社による宇宙ベンチャーへの出資は初めてです。

2019年に設立されたSpace Perspectiveは、有人高高度気球を用いた高度約30kmの成層圏までの旅行サービスに取り組んでいます。成層圏は宇宙ではありませんが、空気は薄く、周囲は暗く、地球が球であることは実感できる高度となっています。同社が開発する高高度気球であるSpaceship Neptuneは、直径300フィート(約91m)の加圧カプセルで、合計8人の乗客とパイロットが搭乗可能です。

想定されているサービスは、ケネディ宇宙センターから離陸する合計6時間の飛行体験となり、価格は1人あたり12万5000ドル(約1400万円)でありサービスインは2024年を予定しています。

Space Perspectiveの共同創業者兼CEOであるJane Poynter氏は以下のコメントを出しています。

This is an important milestone for Space Perspective, and we are thrilled to have secured this mission-critical support from Prime Movers Lab. Our successful, first test-flight in June, which lifted to the target altitude of 108,000 feet, signaled that all systems are ‘Go!’ for our sustainable approach to space tourism.
(訳:今回の資金調達はSpace Perspectiveにとって重要なマイルストーンであり、Prime Movers Labから本ミッションに不可欠なサポートを得られたことに感激しています。今年の6月に実施した初のテストフライトでは、目標高度である108,000フィート(約33km)まで上昇し成功を収めました。これは持続可能な宇宙旅行へのアプローチとして、すべてのシステムが「GO!」であることを示しています。 )

Space Perspectiveは、無人気球開発の実績が豊富なWorld Viewの創業メンバーが新たに立ち上げたベンチャー企業ですが、古巣のWorld Viewも先日類似のサービスを発表しています。高度100kmまで飛行するわけではないですが、宇宙に到達した気分になれる高高度旅行サービスに今後も注目です。

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