AWSがAxiom Spaceと協力しISS上で小型端末AWS Snowconeの遠隔通信に成功。宇宙空間でのクラウド機能の提供に期待【宇宙ビジネスニュース】
【2022年6月27日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
AWSがAxiom Spaceと協力しISS上で小型端末AWS Snowconeの遠隔通信に成功。宇宙空間でのクラウド機能の提供に期待
Amazon Web Services(AWS)が、Axiom Spaceと共同で実施した、国際宇宙ステーション(ISS)に設置したデバイスとの遠隔通信に成功したと発表しました。
今回の遠隔通信は、Axiom Spaceの民間ミッションであるAxiom Mission 1(Ax-1)で取得したデータをより効率的に分析するために、AWS Snowcone SSDデバイスが使用されました。AWSがISSにて汎用的なエッジ処理(※)およびストレージ装置を遠隔操作した初めての例となります。
- (※)エッジ処理:より端末に近い部分もしくは端末自体でデータ処理や計算処理することで、上位システムへの負荷や通信遅延を解消する技術
これまで宇宙飛行士がISS上で収集したデータは地上に送り返してから処理をする必要がありました。ISSをはじめとする軌道上でデータ分析が可能になれば、宇宙飛行士の労働時間をデータ伝送以外の作業に充てることが可能になります。
2021年9月に登場したAWS Snowcone SSDは通信環境の乏しい山間部などでの使用を想定されており、宇宙ミッションでの使用を想定したものではありませんでした。AWS はAxiom Spaceおよび NASAと協力し、わずか 7 か月でAWS SnowconeをISSに安全に送り込むための準備を行い、無事にNASAの厳格な安全審査を通過しISSへ運搬されました。
AWSの航空宇宙部門ディレクターであるClint Crosier氏は、以下のコメントを発表しています。
Performing imagery analysis close to the source of the data, on orbit, is a tremendous advantage because it can improve response times and allow the crew to focus on other mission-critical tasks. This demonstration will help our teams assess how we can make edge processing a capability available to crews for future space missions.
(訳:軌道上というデータに近い場所で画像解析を行うことは、応答時間が改善され、宇宙飛行士が他の業務に集中できるようになり、大きなメリットとなります。今回の実証は、私たちのチームが、今後の宇宙ミッションで宇宙飛行士が利用するエッジ処理を評価することに役立つでしょう。)
宇宙開発においても、AWSをはじめとするクラウドサービスの活用が不可欠になる未来が近づいてきています。
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