宙畑 Sorabatake

人材・働く

「そこまで構えなくてよかった」人事のプロが宇宙ベンチャーのCHROになって変えた3つのこと【Why Space】

非宇宙業界から宇宙業界に転職をした人に焦点を当てたインタビュー連載「Why Space」、一人目のインタビュイーはアクセルスペースのCHRO、濵田牧子さんです。濵田さんが考える人事の仕事とは?

宙畑では本記事を第1回として、非宇宙業界から宇宙業界に転職をした人に焦点を当てたインタビュー連載「Why Space~なぜあなたは宇宙業界へ?なぜ宇宙業界はこうなってる?~」をスタートします。

今、宇宙ビジネス市場は2035年には1兆7900億ドルにまで成長する(2023年時点で6300億ドル)と言われており、日本においても宇宙産業の成長が期待され、大きな政府予算が宇宙技術の開発に投下されています。

一方で、日本はこれまで技術開発が主で、携わる人の数も限られていたため、理想の宇宙産業成長を実現するうえで人材が足りないという課題が近年騒がれ始めています。

経済産業省「国内外の宇宙産業の動向を踏まえた経済産業省の取組と今後について」より人材に関する取り組みの概観図を引用

とはいえ、いきなり「宇宙ビジネス企業で人材募集中です!」と言っても、「宇宙産業で活躍できる人ってどんな人?」「宇宙産業は本当に成長するのか?」「そもそも宇宙産業って何?」という人がほとんどでしょう。本連載「Why Space」では、非宇宙業界から宇宙業界に転職もしくは参入された人に「なぜ宇宙業界に転職したのか」「宇宙業界に転職してなぜ?と思ったこと/変えたこと」という2つの「なぜ」を問い、宇宙業界で働くリアルをお届けしてまいります。

そして、本連載の一人目としてお話を伺ったのは、日本の小型衛星ベンチャーのリードランナーであるアクセルスペースに2022年に人事責任者として入社され、現在はPR部門も管掌するCHROの濵田牧子さんです。

濵田さんがアクセルスペースに入社した当時、従業員数は100人程度でしたが、その後事業拡大とともに今や200人がそろそろ見えるところまで増加。広報担当の一門さん曰く、「Before 濵田」と「After 濵田」とで会社の雰囲気は大きく変わったそう。濵田さんが歩んだキャリアとアクセルスペースでの取り組みは、宇宙業界に限らず、人事とは何かを考えさせられる、非常に学びの多いインタビューでした。

(1)新卒の就活軸は「教育」と「クリエイティブ」、ベネッセに編集者として入社してから人事の仕事に出会うまで

宙畑:まずは就職活動をどのように始められたのかから教えてください。

濵田:私の就職活動の軸は、教育とクリエイティブでした。自分の言ったこと、やったことが誰かに良い影響を与えて何かができるようになることで、その人の可能性を広げることが私のやりたいことだと自己分析をしました。この思いに至った背景を遡ると、4歳年下の弟がいて、親の手伝いで弟の世話をしていたらどんどん新しいことができるようになって嬉しかったという実体験だと思います。より良い影響を生みだすためにはクリエイティビティが重要であり、自分で何かを生み出したいという思いも生まれ、高校時代には学年新聞の編集、大学時代では映像制作をやっていました。

宙畑:1社目に入社されたベネッセコーポレーション(以下、ベネッセ)はまさに「教育」と「クリエイティブ」ですね。その後、サイバーエージェントで人事に転身したというのはどういった経緯があったのでしょうか?

濵田:ベネッセでは紙媒体での編集を経験した後、IT産業の盛り上がりからWebの編集にも興味が出てきて、紙媒体とWebをどちらも携われる編集の仕事に個人事業主として携わることになりました。その後、自社メディアを持ち、より大きくスケールするような会社に興味を持ち始めて入社したのがサイバーエージェントでした。

宙畑:サイバーエージェントに入るときは編集者(Webディレクター)として入られたんですね。

濵田:そうなんです。ただ、紙媒体出身という失敗ができない(出版した後に修正ができない)環境にいた経験があったので社内の外向けに文字を発信するメンバー向けに部内で勉強会やマニュアルを作っていたことや、部内のメンバーの相談事を人事に一緒にしていたことが人事の目にとまったようで、人事に興味がないかと声がかかりました。ほぼ同じタイミングで別の部門でのWebプロデューサーとしての道もありましたが「会社として求めているのはどっちですか?」と聞いたところ「人事」と言われたので、人事本部に異動することになりました。

宙畑:当時のIT企業だと採用がどんどん行われていた時代でしょうか?

濵田:そうですね。当時の経営課題としては大量に採用するけれど、離職も多い状態だったと記憶しています。当時サイバーエージェントと同じように勢いのあったIT系企業にみんなが横に移動しあっているようなカオスな時代だったなと思います。そういった時代の中で、会社としては現場上がりの人事担当が必要だったようです。

(2)人事はクリエイティブ! 人事の仕事は採用だけじゃない

濵田:人事に着任した瞬間から「人事ってクリエイティブ!」と思いました。まず人事部の中に採用サイトやイントラ(社内用のプライベートネットワーク)をがっつり制作する力のあるクリエイターがいたんです。

新しい人事制度や、何かの告知などの際に面白いポスターを作って、啓蒙するために自分たちで言葉にしていったり、制度の作り方もどうやったら伝わるのか、使ってもらえるのか、などを駆使して、クリエイティブにも力をいれていたので面白かったですね。私は採用を最初は担当し、その後は活性化や研修などの育成も業務に加わりました。

宙畑:人事の中にクリエイターがいるというのは初めて聞きました。その後、人事としてのキャリアをどんどん広げられたのですね。

濵田:最初はもちろん採用のオペレーションを教わりながら必死に回すということからでしたが、業務をやっていくうちに労務や制度設計にも興味がでてきました。ただ、社員数が1000人規模の会社で、人事分野の中でも担当する業務範囲がどうしても決められてしまいます。そのようなタイミングでマイクロアドという一つの事業部が子会社化するタイミングがあり、専任の人事担当として丸ごと人事をみれるチャンスをいただきました。マイクロアドが子会社化したタイミングでは社員40人ぐらいでしたが、組織が100人になるまで、ひとり人事としてあれもこれも取り組ませてもらいました。

宙畑:ひとりで人事を行った経験を経て、あらためて人事の仕事とはどのような仕事だと考えられていますか?

濵田:まず、一般的に専任の人事は組織の中で後発的に生まれると思っています。最初はいわゆる管理業務全体を見る人から始まり経理のような仕事が必要になりますが、専任の人事はそれこそ30〜40人の規模になってようやく1人、組織に必要となるくらい。さらに、最初に必要となる専任の人事の仕事はほとんどが採用だと思います。

ただ、人事の仕事は採用だけではありません。アクセルスペースを例に挙げると採用に加えて、労務、育成、制度設計、活性化……と全部つながっています。これらすべての業務を全体的に俯瞰したグランドデザインが必要であって、採用で必要な社員数が揃うだけでは人材の課題は解決しません。

宙畑:ありがとうございます。まさに今宇宙業界は「人が足りない」という課題が叫ばれていますが、採用に限らず、宇宙業界全体としての人事のグランドデザインが必要なのだなと思いました。後ほど、アクセルスペースでどのような施策に取り組まれたのかお伺いします。

(3)濵田さんはなぜ宇宙業界へ? 転職の決め手は「経営者と走りたいと思えるかどうか」

宙畑:濵田さんはその後もベンチャー企業の人事責任者として様々な会社でご活躍をされてきたと思うのですが、アクセルスペースにはどのようなきっかけで転職することになったのでしょうか?

濵田:きっかけは転職エージェントに登録した際に、アクセルスペースの人事からスカウトメールが届いたことです。私の経歴をきちんと見て連絡をしてくれているのだなと思って「この会社の人事はどんな人だろう」と裏側のオペレーションの方が気になってカジュアル面談を行うことになりました。

応募したポジションは人事責任者だったので、最初から社長の中村との面談でしたね。

宙畑:その結果、アクセルスペースに入社されたと。公式HPに掲載されているインタビューでは「経営者の組織や人材に対する考え方に共感」とありましたが、どのようなお話をされたのでしょうか?

濵田:中村は、アクセルスペースにはいろんな個性を持った人たちがいて、その人たちの個性を活かして成果の最大化を実現したいという考えを持っている人でした。業界によっては、同じようなタイプの人がいることが正となることもありますが、少なくとも中村は様々なタイプの人がいて、柔軟に組織を成長させたいと考えている人でした。従業員のことをちゃんと個性を活かしてほしいと社長自らが強く思っていると分かったことが嬉しかったですね。

その後も「あの組織どうですか?」とか「何を期待しますか?」といった人事の話や組織の話も含めて、その打ち返しが私は心地よかったですね。

人事は社長の意思や経営陣の決めた方針といった会社の源流に近い部門なので、最初の1滴をどうやって綺麗な水のまま本流に流していくのかが重要な仕事です。そのうえで、最初の1滴に違和感があれば率直に伝えられるような関係性をちゃんと構築したいと考えていますので、中村との最初のコミュニケーションでも、近しくやり取り、協議ができそうだ、と嬉しかったのを記憶しています。

濵田:だからこそ、人事責任者として転職するならば、経営陣とうまく合わなかったら駄目だと思ってるので「この人についていきたい」「この人を支えたい」「この人とともに走りたいと思えるかどうか」を転職の中心軸として置いていました。

カジュアル面談の後、次に進みたいと思ってお礼の連絡をしようと思ったら、その前に中村から「本選考を受けてもらえませんか?」とありがたいことに直接メールをいただき、本選考を経て入社が決まりました。

宙畑:宇宙業界に入ることに対して、怖いという思いはありませんでしたか?

濵田:周りに知っている人がいないという怖さもありましたが、宇宙産業自体が伸びているのは知っていましたし、自分にとって未知なことにチャレンジできるということにわくわくしました。「別に転職失敗しても死ぬわけじゃないし」と思って入社しました。このあたりは変化することが当たり前なベンチャーという環境でずっと培ってきた感覚かもしれません。

編集者として社会人のキャリアをスタートし、途中で人事としてもキャリアを歩まれた濵田さん。「教育」と「クリエイティブ」という二つの軸を就職活動で考えられていた濵田さんにとって、人事は天職だったのかもしれません。

以下、人事の責任者として濵田さんが行った多くの施策とその背景を紹介しています。宇宙業界にとって、他業界で活躍するビジネスパーソンが入ることはここまで会社をポジティブな方向に変えられるのかと非常に驚きました。宇宙業界が気になっているという読者にとって、宇宙業界のリアルを知り、活躍できるイメージが湧く内容となっていましたら幸いです。

(4)「普通の会社でした」アクセルスペースに入社した濵田さんが最初に取り組んだこと

宙畑:アクセルスペースに入ってみて、第一印象はいかがでしたか?

濵田:実はちょっと構えていたのですが、意外と普通の会社でした(笑)。目の前のオペレーションのキャッチアップはそんなに時間かからなかったですね。人事の仕事はベーシックな部分でやることは大きく変わらないのでオンボードは一般的にも早いと思います。

直接のレポートラインも中村だったので、人事の課題はこれだと明確に中村から伝えられていました。最初の1ヶ月半で検証して、実際はこうでしたとか全体の把握をまず行い、気になったことはどんどん話しました。

宙畑:全体の把握はどのように行ったのでしょうか?

濵田:最初は誰がどのようなスキルを持ってどのような仕事をしているのかわからないので、記号的に存在している社員のIDと入社年数、年収とその等級といったことをすべて掛け合わせて……と機械的に全体を俯瞰し、耳にする課題がデータでみるとどうなのか、などの整理を行いました。そのうえで、ここから取り組みましょうと中村と決めて施策を実行していくという流れでした。

定性的には取締役や役員、部門長、また社歴の長いメンバーと実際にお話してみて、実際どのように社内の組織が動いているのか把握しました。

(5)「採用は育成でもある」アクセルスペースでのチャレンジ①:採用

宙畑:「Before 濵田」と「After 濵田」とで会社の雰囲気は大きく変わったと伺いました。具体的に変えたことを教えていただけますか?

濵田:まず採用の話をすると、採用のフローの見直し、それから採用候補者のプールの作り直し、転職エージェントの絞り込みなど、効果と効率を上げるための抜本的見直しを実施しました。

具体的には採用システムを総入れ替えして、採用プロセスごとに効果が測れるようにしたことで課題点が明確になり、とるべき対策の取捨選択ができ、結果としてリードタイムを大きく短くすることができました。

あとは、自社採用に力を入れて、ダイレクトスカウトの仕組みを社内で作ったり、リファラル採用の数を増やす取り組みと合わせてKPIの設定なども行いましたね。

また、採用は育成でもあるので、現場の面接官を育成するために「採用って何だっけ」のインストールと面接同席を行いました。

宙畑:採用フローにはどのような課題があったのでしょうか?

濵田:元々は現場が1次面接をやって、その次に人事、その後に課題がある場合は課題提出を経て、最終面接という3段階でした。この採用フローだと、1次面接でスキルセットだけ見るとものすごく魅力的だけれど、人事としては「マインドセットが当社に合わないな」となる場合に、現場と人事とで衝突が起きてしまうことがありました。

そのため、人事が現場の面接官と一緒に面接に同席することにしました。私から人事のメンバーには「時にはノーと言える人事になりなさい」とも伝えています。今では、応募者の同じ言葉を聞いてお互いの視点から話し合えるようにもなっていますし、現場の面接官と人事のシンクロ率もだいぶ上がってきたのではないかと思っています。

宙畑:具体的にどのようなマインドセットを持っていることが重要なのでしょうか?

濵田:ベンチャーは成長するからベンチャーであって、変化対応能力がなければ難しいと思います。変化対応能力とは、自分自身の幅をチャレンジして広げることであり、変わり続ける働き方や志向性です。変わっても大丈夫と思えなければベンチャーではまずワークしないと思っています。

宙畑:このお話は技術職だけでなく、他の業務であっても同じことが言えそうですね。濵田さんのお話を伺っていると人事の仕事も会社のフェーズや状態によって、必要なやるべきことが変わり、その状況に応じて変わり続けるマインドセットが求められるのだなとハッとしました。

(6)「Wayの浸透、情報の流通」アクセルスペースでのチャレンジ②:社内活性化

濵田:次に取り組んだことは社内の活性化です。アクセルスペースにはAxelspace Wayという行動指針がもともとあり、よりWayが浸透するような施策を行いました。

濵田:これは対個人で響くもの、全体に響くもの、掲示して響くもの、評価システムを通して響くものなど、全てのものがAxelspace Wayに繋がっていけるように作り変えたり、新しく制度を作ったりしました。

例えば、Wayの詳細は弊社サイトにも載っていますが「それって具体的にどういうこと?」を示すために「Do’s and Don’ts(やるべきこと、やるべきでないこと)」の具体例をTipsとして作って発表しています。ほかにも、Wayを体現した社員を表彰するアワードも年末と年度末に実施する全社イベントで行うなど、様々な施策を行っています。

宙畑:社員が200人に届くような規模になるとWayの浸透はもちろんのこと、社内でも同僚を覚えられなくなるといったことが発生しそうですね。社内の活性化施策として、情報交換の頻度が上がるようなことも何か行われていますか?

濵田:各本部の本部長や、大きな部署であればそこの部門長との人事視点での報告、課題の吸い上げ、相談を行う時間を月イチで設けています。その結果、現場のメンバーの顔がすごくわかるようになり、現場の状況や組織長の意向も見えるようになりました。

他にも、四半期に1回ピザパーティというイベントを行って、社員が他の社員と会話につながるゲームをやるといった社内交流の活性化も行っています。例えば、自分の部門内では話すけれど、シャイな人だと他の部門の人と話す機会は少ないので、アクセルスペースWayも絡めながらそのきっかけを作るようにしました。

宙畑:新しい人もすぐになじめるような施策は何かされていますか?

濵田:新しく入ったメンバーを対象としたオンボーディングプログラムのひとつとして、アクセルスペースビンゴというものを作りました。25マスあって、CXOの誰かと写真を撮る、誰々さんとランチに行く……といったお題がいっぱい書いてあって、クリアしたらアクセルスペースのグッズを贈るという施策です。必須で対応している研修も1項目として盛り込み、少しでも楽しくアクセルスペースの文化や知見を得てもらえるように設計しました。

宙畑:それは新しく入られる人にとっては、話すきっかけとなる心強いツールですね。これらの施策を考えるうえでクリエイティブが求められるという点でも人事はとても面白い仕事ですね。

(7)アクセルスペースでのチャレンジ③:業務効率化

濵田:最後に、業務効率化にも取り組みました。例えば、社内のFAQや就業規則をまとめた社内のポータルサイトを新しく作りました。社内で3回聞かれることはずっと聞かれるので、まずはここを見てくださいと言える場所になっています。

社内ポータルサイトのTOPページキャプチャ

どこの会社でもあることかと思いますが、社内のフォルダを探したらファイナルと書いてあるのに2年前だったり……間違った情報を間違った検索の仕方をしてしまって問い合わせがあったりとか、とてももったいないと思います。

採用のあり方や活性化施策の全体像などもすべてポータルサイトに乗せているので、社内からの問い合わせが必要なものに絞られましたね。

宙畑:社内フォルダの話は本当にあるあるですね……。

濵田:新しく入った人向けのオンボードのやり方も大きく変えています。私が入ったときは非宇宙の業界から来ているのに、初日から各部門紹介が始まって「Orbit(軌道)が……」という話から入って、難しい授業のようなオンボードが各部署を回って延々と続くという状況でした。

濵田:そうなんです。やってくれている各現場のメンバーはもちろん丁寧にやってくれていたのですが、実は外から来た入社者はもっともっと手前の状態。なので、大きくテコ入れをしました。どういうビジネスモデルがあって、なぜこうなっていって、どういう市場でどういうプレーヤーがいて……といった宇宙ビジネス概論を1時間で話し、その後は各本部の概論に進んでいく、という形に変えました。

いずれ仕事が始まったら自分のグループや自分の本部の話はどんどん入ってきますし、最初にインストールすべき重要なことは何かをすごく考えて、大きく変えましたね。

(8)「社会のインフラになる」濵田さんから宇宙業界への転職を考える人への一言

宙畑:アクセルスペースの展望を濵田さんの思いと合わせて教えてください。

濵田:まず、AxelGlobe事業では、自社のコンステレーション衛星の活用による多くの画像・データの提供を通じ、これまでリモセンのユースケースがあまりなかった業種・分野にもますますソリューションの拡大を推進していきます。現在は5機体制、2〜3日に一度の同一地点観測が可能ですが、近い将来10機以上の体制にすることで毎日観測することも可能になります。

また、祖業である専用衛星事業から発展し、2022年に発表したAxelLiner事業では、2024年7月に軌道上での宇宙用コンポーネント(部品)の実証に特化した新サービス「AxelLiner Laboratory」と初号機搭載のプロジェクトについて発表しました。今後もアクセルスペースの事業がより気軽に宇宙がビジネスの場となるインフラとして機能し、宇宙活用が当たり前になる世界の一助となりたいですね。

宙畑:ありがとうございます。今まで宇宙事業に参入していない日本企業がより気軽に宇宙参入できるインフラは非常に重要なサービスだと思います。宙畑としてもアクセルスペースの事業の成長を非常に楽しみにしています!

最後に、今後宇宙業界に転職や参入するか迷っているという人に向けてメッセージをお願いします。

濵田:まずは「怖くないよ」「全然未知じゃないよ」ということをお伝えしたいです。もちろん宇宙業界ならではの知見や経験が求められる場合もありますが、どこの業界に行ったとしてもキャッチアップってあると思ってるので、すごく特殊なことではないとお伝えしてたいです。

また、市場の成長と所属する会社の成長は自分のキャリアの成長と限りなくリンクします。今後予測されている宇宙市場の成長は、自分のキャリアアップや市場価値を高めることに直結するとおすすめしたいです。

■宙畑編集部がグッときたポイント

「人事はクリエイティブな仕事である」ということをアクセルスペースの具体例を通して実感したインタビューでした。クリエイティブとは、雑誌やWebメディアの記事やポスターといった物理的なモノに限りません。各会社の状況を見定め、どのような採用フローや制度を設計すべきか、また、ツールを作るべきかといったソフトな仕組みについてもクリエイティビティが求められる仕事だということを理解しました。

その上で、濵田さんのこれまでのキャリアで培った経験があったからこそ、アクセルスペースにおけるポジティブな変化がどんどん生まれているのだなと分かりました。

つまり、宇宙業界はまだまだ産業としては未熟であり、他の業界から来たビジネスパーソンによって産業化が加速する伸びしろがまだまだたくさんあるということ。今後も「Why Space」では、非宇宙業界から宇宙業界に転職・参入して活躍するビジネスパーソンを紹介予定です。

また、この職種で宇宙業界に入れるか興味がある!という人がいらっしゃいましたらぜひ宙畑までお問い合わせいただけますと幸いです。

■アクセルスペースの求人情報

現在、アクセルスペースでは様々な職種で求人が募集されています。ぜひ採用サイトをのぞいてみてください。