衛星データプラットフォーム「Tellus」にて温室効果ガス観測衛星GOSATシリーズのデータをAPI提供開始、利用事例は?
衛星データプラットフォーム「Tellus」にて、温室効果ガス観測技術衛星GOSATシリーズの衛星データのAPI提供が開始されました。その概要と利用事例を紹介します。
株式会社Tellusは3月25日、衛星データプラットフォーム「Tellus」にて、温室効果ガス観測技術衛星GOSATシリーズの衛星データのAPI提供を開始したことを発表しました。
GOSATは、日本の温室効果ガス観測技術衛星で、大気中の二酸化炭素(CO₂)やメタン(CH₄)などの温室効果ガス(GHG)の濃度を地球全域で測定することができます。
GOSATの活用方法や世界的な意義については、以下の記事で環境省様に伺った記事は以下でご覧いただけます。
環境省に聞く、世界の環境観測のインフラとなる人工衛星GOSATシリーズとは
Tellusは、2024年4月より、環境省からGOSATシリーズのデータを提供するプラットフォームとして選定され、データの可視化、公開準備を進めていました。
特設ページはこちら:https://www.tellusxdp.com/ja/catalog/data/gosat-promotion/
今回、GIS(地理情報システム)ソフトウェアのQGIS(QGISは、オープンソースソフトウェアであり、”QGIS”はQGIS.ORGの商標)上で「温室効果ガスの増減を、地球全体の面で見る」や「温室効果ガスの測定値の分布を点群で見る」など、より利用シーンを想定して、GOSATシリーズのデータの検索から簡易解析まで可能なツール(GOSATプラグイン)もあわせて公開されています。
今回のサービス開始によって、一般の方やエンジニアなど幅広い方々にとって、人類共通の課題である温室効果ガス関連のデータ取得が容易になり、企業の広報などへの利用も期待できます。
では、具体的にどのような使い方ができるのでしょうか。
例えば、GOSATのデータ利用事例として、バスキュールが制作し、COP29でも展示された3Dプロダクト「GOSAT 3D Visualizer」があります。

本プロダクトの制作秘話についても宙畑でお話を伺っていますのでぜひご覧ください。
環境問題にデザインからアプローチ! COP29で展示される「GOSAT(いぶき)」の温室効果ガス濃度3D可視化プロジェクトはなぜ立ち上がったか【環境省×バスキュール×Tellusの3者インタビュー】
また、同時に公開されるプラグインを活用すれば、以下のように特定領域の温室効果ガスの濃度を時系列に簡単に可視化できます。二酸化炭素濃度が年々上昇していることやエリア別の濃度がグラフやマッピングにより非常にわかりやすく示されています。

以上、衛星データプラットフォーム「Tellus」で公開されたGOSATのAPI提供やQGISのプラグインについて紹介しました。
これまで温室効果ガスのデータは限られた人しか扱えないデータでした。
しかし、API提供やQGISのプラグインとして公開されたことで、誰でも
・日本と比較して温室効果ガスが増えるスピードが速い国は?
・日本のなかで温室効果ガスの濃度が最も少ない場所はどこ?
・温室効果ガスが日本で最も高いエリアは何がある場所?
など、アイデア次第で様々な温室効果データの可視化が可能です。ぜひ、こういう使い方をしたら面白そう!という思いつきからでもGOSATのデータを触ってみてください。