SpaceX、全従業員の10%をリストラへ【週刊宇宙ビジネスニュース 1/14~1/20】
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1.SpaceX、全従業員の10%をリストラへ
華々しい話題がつきないSpaceXですが、全従業員の10%を解雇する、というニュースがありました。この規模のリストラは2002年の創業以来初めてのことです。
現在の衛星打ち上げのみならず、有人宇宙飛行や火星への有人探査、インターネット衛星構想など、幅広く事業を推進しようとしているSpaceXではありますが、事業を成功させるためには、一度組織を絞る必要があると考えているようです。
研究開発が進み、技術が成熟したことで、開発に必要な人材が変化していることを受けての決断かもしれません。さらに開発を推進すべく、資金調達を試みている、という話題も同時に入っており、今後どのような展開になるのかが気になるところです。
このように、雇用者を減らすケースがあれば、増やすケースも。
アルゼンチンに本社を構えるSatellogicは、45kgほどの超小型な地球観測衛星90機を6回に分けて2020年までに中国のロケットを利用して打ち上げることを計画しています。
同社は2017年6月に中国企業Tencentから、シリーズBラウンドで2700万ドルを調達しました。この資金で2019年までは会社運営が可能と発表されていますが、2020年まで衛星を製造し、サービスを提供し続けるためには、追加で資金を調達することが必要としています。追記資金調達により、衛星の製造・打ち上げ・運用のみならず、開発拠点や人員を拡充する予定だそうです。
すでに160名の人員がおり、小型衛星を開発する組織としては大規模な方ではありますが、90機の衛星を製造するラインを維持したり、データを解析・販売するためには、従来まで組織にいた人材だけでは十分ではなさそうというのも頷けます。
同社の衛星は1メートル分解能の光学カメラの他に、ハイパースペクトルカメラを搭載している、従来までとは少し異なる小型衛星となっています。ハイパースペクトルカメラは今はまだ研究段階と言われていますが、幅広い波長帯域を観測できるため、地上の変化をより捉えられるようになるかもしれません。この衛星により、新たな利用用途が開拓されれば、さらに雇用創出にも繋がると考えられ、期待されます。
中国以外の企業が衛星を中国のロケットで打ち上げることは珍しく、同社への投資元は中国系企業であることが、ロケット選定にも影響しているようにも考えられます。
今後、サービスを実用段階にもっていく際に、どこが投資をしたのか、ということが、大きな影響を与えることになりそうです。