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【2020年9月の宇宙ビジネスニュースまとめ】各国で進む民間企業による宇宙開発。アルテミス計画も民間企業の参入に期待

宙畑で2020年9月に取り上げた宇宙ビジネスニュースをまとめてお届けします。

本記事では、2020年9月に起きた宇宙ビジネスニュースをまとめてお届けします。

9月は、先月に引き続き月面開発に関するニュースが多く発表されました。民間企業が各企業の強みを生かし、月面開発を成功させようとしのぎを削っています。
また、アメリカや中国以外の国内からも民間企業が宇宙産業に参入し、予算を獲得していくニュースも多くありました。

どの国でどのような宇宙事業が活発になっているのか、ぜひ振り返ってみてください。
それでは、7本の記事に要約させた2020年9月のニュースを抜粋して紹介します。

頻発する衛星へのサイバー攻撃。ホワイトハウスがセキュリティ強化に関する指令を発表

9月4日、米国・ホワイトハウスは、宇宙システムのサイバーセキュリティ強化を求める大統領令「Space Policy Directive 5(SPD-5)」を発表しました。

衛星を狙ったサイバー攻撃が再建されるようになってきている中で、運用技術や商法処理システムの保護などが盛り込まれたガイドラインを含む内容となっています。
今後の宇宙利用における課題の一つとして、対策を支援するサービスの需要も増えていくかもしれません。

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Rocket Lab独自の衛星バスシステムPhoton。更に高まる競合優位性とその狙い

8月30日に打ち上げられた小型ロケットベンチャーのRocket LabがPhoton1号機を無事に軌道投入したことが9月4日に発表されました。

Photon1号機は、小型衛星を軌道投入する部分(キックステージ)の機能と人工衛星の部分をロケットの上段に兼ねそろえており、これにより、開発期間や費用の削減や宇宙デブリの軽減などのメリットがあると考えられます。

大型も小型も民間によるロケット開発が進んでいます。Rocket Labの今後の打ち上げ計画に注目していきましょう。

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NASA 日本企業も参加可能な「月の石」買取りプログラムを発表

9月10日、NASAは民間企業が月面で採取したサンプルを購入することを発表しました。2024年に予定する有人月面着陸計画アルテミス計画に向けて公募され、アメリカ国内だけではなく、他国からも参加が可能とのこと。

月面で採取したサンプルは、地球に持ち帰ってくる必要はなく、月面でNASAに譲渡することが条件となっています。
サンプルの採取場所は自由となっていますが、民間企業が月を目指すのは開発費や打ち上げの費用など、まだまだコストが高く、宇宙産業への参入はハードルが高いように思います。

参加する企業の中に日本企業が入ってくるのか、各国の民間企業の参入状況もこれからの宇宙ビジネス追っていきたいと思います。

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H3ロケットが打ち上げ延期。搭載予定ALOSシリーズの運用計画は見直しか

9月11日、JAXAは2020年度内の実施を予定していたH3ロケット試験機初号機の打ち上げをエンジンの技術的課題を理由に2021年度に延期したことを発表しました。

H3ロケットは、JAXAの大型ロケットH-ⅡA、H-ⅡBロケットの後継機として開発が進められている柔軟性・高信頼・低価格の3要素の実現を目指すロケットです。

また、H3ロケット試験機初号機には、先進光学衛星「だいち3号(ALOS-3)」が搭載される予定となっています。ロケットの打ち上げ延期によって、衛星の運用についても延期となることが決まっており、今後の後継機の開発スケジュールにも影響があるかもしれません。

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着実に進むアルテミス計画。Dyneticsが着陸船のモックアップを公開

月面に人類を送る月面開発計画「アルテミス計画」において、有人着陸システム(Human Landing Systems,通称HLS)を開発する企業として採択されている3社の一つ、Dyneticsが、自身が開発する有人着陸船(DHLS)の実寸大のモックアップを発表しました。

採択されている3社のうち、残りの2社はBlue OriginとSpaceXとなっていますが、SpaceXはまだ着陸船についての情報をまだ公開しておりません。

今後2021年2月までで着陸船のコンセプトを練り上げ、NASAによって3社から1社が選ばれます。3社の中からどの企業が選ばれるのか、各社の開発状況について引き続き注目です。

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Blue Originが商業宇宙ステーションの開発に着手。着実に進む軌道上サービス

小型ロケットベンチャーのBlue Origin,LLCが、Orbital Habitat Formulation Leadというポジションの求人を開始しました。このポジションでは、LEO(地球低軌道)の商業宇宙ステーションの開発をリードする役割を担うことになりそうです。

商業宇宙ステーションを開発するためには、国際宇宙ステーションの知見があるNASAとのやりとりやビジネスとして利用する顧客との調整も必要となります。

宇宙での生活を多くの人に提供するというBlue Originのビジョンにむけてどのような人材がこのポジションを担うのか採用結果が楽しみです。

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Spire 衛星間通信機能を搭載。データ配信までの時間短縮を目指す

超小型衛星による船舶の位置情報(AIS)や気象情報などを提供するSpire Globalは、「衛星間通信機能」を備えた衛星を打ち上げ、次世代型のコンステレーション衛星群を構築する計画を明らかにしました。

地上にある地上局だけではなく、衛星間で通信をリレーのように転送することで地上局の上空に衛星が通過している時間以外でも衛星間通信を続けることができます。

Spireだけではなく、Iridium CommunicationsやSpaceXなど民間でも通信衛星の整備が進んでいます。技術の発展にともない衛星機能も日々アップデートしていく必要があります。市場競争が激化する通信衛星業界にも目が離せません。

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以上、2020年9月に宙畑が取り上げた宇宙ビジネスニュースでした。

次回2020年10月の宇宙ビジネスニュースまとめは、11月中旬ごろの公開を予定しています。

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