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【2021年2月の宇宙ビジネスニュースまとめ】今後も続くか?相次ぐSPAC企業を使った宇宙ベンチャーの上場

宙畑で2021年2月に取り上げた宇宙ビジネスニュースをまとめてお届けします。

本記事では、2021年2月に起きた宇宙ビジネスニュースをまとめてお届けします。

2月は、宇宙ベンチャーの上場に関するニュースが数多く飛び込んできました。ロケット、衛星など多種多様な企業が、今後株式マーケットを賑わすかもしれません。

それでは、2021年2月に取り上げたニュースとその要約を8本ご紹介します。興味のある記事や読み忘れていた記事などございましたらぜひご覧ください。

Axiom、ISSに滞在する民間宇宙飛行士4名を発表。2022年に打ち上げへ

商用宇宙ステーションの構築や宇宙旅行サービスの提供を目指す米国のベンチャー企業・Axiom Space(アクシアム・スペース)は、民間人4名による国際宇宙ステーション(ISS)滞在ミッション「Ax-1」を実施すると発表しました。

ISSの滞在期間は8日間。打ち上げは2022年1月とされています。なお、今回ミッションに参画する4名のうち3名が投資家であり、今後の宇宙ビジネスへの投資にも影響があるかもしれません。

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Starshipが2回目の高高度飛行試験を1月28日から2月2日に延期

SpaceXは、1月28日に予定していた新型宇宙船・Starshipの2回目の高高度飛行試験を延期しました。飛行試験で用いるプロトタイプ機・Starship SN9の準備を直前まで進め、燃料充填も実施していましたが、FAA(アメリカ連邦航空局)による最終承認が下りず延期になったようです。

FAAからは、「射場周辺の環境の保護」について計画を示すようSpaceXに要請がありました。新たなロケット開発の中で試験を繰り返すのは当然ですが、大爆発を起こすなどのリスクがあります。持続可能な商業打ち上げをどう実現するか、今後の焦点になりそうです。

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バイデン政権がアルテミス計画を支持。気候変動対策に向けての動きも

2021年2月3日、米国・ホワイトハウスの報道官であるサキ・ジェン氏は、ブリーフィングでアルテミス計画について言及しました。

記者から挙がった質問に対して、月探査は2021年の包括的歳出法案に詳述されていると説明し、「バイデン政権はアルテミス計画を支持する」と回答しました。
一方で、今後のスケジュールの詳細などは明らかになっておらず、バイデン政権の宇宙政策に引き続き注目です。

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インフォステラがスウェーデン北部に地上局を構築

2021年2月1日、地上局ネットワークサービスを提供するインフォステラは、スウェーデン北部に設置する地上局のホストにArctic Space Technologies(アークティック・スペース・テクノロジズ)を選定し、計画が合意したと発表しました。

インフォステラが地上局を設置するのは、北極圏からわずか130km南に位置する地点。これにより、極軌道周回衛星に対して1日あたり8~10回の通信機会が追加で提供できるようになります。

これにより定常的なデータダウンリンクを行うことが可能になり、顧客拡大が見込まれます。

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ロケットベンチャーのAstraがSPACを活用して2021年中にNASDAQ市場に上場

新興ロケットベンチャーであるAstraは、2021年2月2日にHolicity Inc.による買収及び経営統合契約を締結したと発表。NASDAQ市場に上場しているHolicity Inc.がAstraを傘下に収め、Astraは上場企業となります。

Holicity Inc.はSPAC(特別買収目的会社)であり、SPACを活用して上場した宇宙ベンチャーは4社目になります。今後、SPACを活用して上場する宇宙ベンチャーはさらに増えることが予想されます。

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衛星ベンチャーのBlackSkyがSPACによる上場の計画を発表

2021年2月18日、衛星事業者のBlackSkyと特別買収目的会社(SPAC)のOsprey Technology Acquisitionは、上場を目的とした企業合併のための契約を締結。ニューヨーク証券取引所に上場する計画を発表しました。Ospreyとの合併により、BlackSkyは4億5000万ドル(約470億円)を調達する見込みです。

BlackSkyは2014年設立のベンチャー企業。米国・シアトルとバージニア州に拠点があり、小型地球観測衛星によるコンステレーションの構築を進め、現在は軌道上に5機の衛星を所有しています。

2021年には9機を追加で打ち上げる予定で、将来的には昼夜問わず30分ごとに衛星からの撮影が可能な体制を目指しています。

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月周回有人拠点「ゲートウェイ」、最初のモジュールはSpaceXのFalcon Heavyが打ち上げ

2021年2月10日、NASAは月周回有人拠点「ゲートウェイ」の最初のモジュールの打ち上げをSpaceXに委託すると発表。2024年5月までに、同社が誇る世界最大級の推進力を持つロケット・Falcon Heavyで打ち上げられる予定です。

さらにNASAが開発を進める、木星の衛星エウロパの探査機「Europe Clipper」の打ち上げも民間ロケットを使用する方針で、Falcon Heavyが有力候補に挙がっています。

ISSへの有人飛行を成功させ、新型宇宙船の開発も進めるSpaceXの勢いは、まだまだ止まりそうにありません。

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Swarm TechnologiesがIoTデバイスと通信を可能にする商業衛星サービスを開始

超小型通信衛星を用いてIoTネットワーク構築に挑むSwarm Technologiesが、商用サービスの開始を発表しました。

Swarm Technologiesの最初の顧客となったのはニュージーランドのIoT企業のLayer X Groupです。Layer Xはこれまではデータ収集に毎月450NZ$(約3万4千円)かかっていたところ、Swarm Technologiesのサービスを利用することで15NZ$(約1100円)で済むようになったとのことです。

Swarm Technologiesは農業・海運・エネルギー・交通といった分野でIoTデバイスを提供している顧客に、毎秒1kBitの低価格通信を提供していく予定です。強力な競合企業もいる中、存在感を発揮できるか注目です。

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以上、2021年2月に宙畑が取り上げた宇宙ビジネスニュースでした。

次回2021年3月の宇宙ビジネスニュースまとめは、4月中旬ごろの公開を予定しています。

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