宙畑 Sorabatake

宇宙ビジネス

【宙畑5周年記念企画】宙畑の記事ランキングで振り返る宇宙ビジネス2017→2021

この5年間で宙畑で公開した記事は1,118本。5年分の記事と共に、宇宙ビジネスを振り返ります。

2022年2月19日に、宙畑はサイトオープンから5周年を迎えることができました。

2017年から少しずつ公開していった記事は1,000本を越え、年間の読者数は2021年に100万人を突破しました。多くの皆様に読んでいただいていることを本当に嬉しく思っています。

これからも、みなさんのお役に立つ記事を一つずつ作っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!

本記事では、宙畑5周年を記念して、これまで出してきた1,118本の記事を、公開年毎にこれまでの累積PVランキングでご紹介しながら、世界と日本の宇宙ビジネスの5年の歩みを振り返りたいと思います。

2017年年間記事PVランキング

?第1位 宇宙ビジネスとは~業界マップ、ビジネスモデル、注目企業、市場規模~

?第2位 宇宙開発×ベンチャー企業一覧 日本編 2019

?第3位 宇宙ビジネス×ベンチャー企業一覧アメリカ編 2017

第4位 宇宙ビジネスを学べるおすすめの本・書籍14選

第5位 人工衛星を利用した地球の調べ方

第6位 超低高度衛星技術試験機「つばめ (SLATS)」-超低高度軌道の課題と期待

第7位 NASAインターンシップ〜菊地翔太〜

第8位 衛星リモートセンシングベンチャー企業とビジネストレンド 2017

第9位 「みちびき」とは~GPS精度を向上させる準天頂衛星の仕組み~

第10位 衛星通信サービスベンチャー企業とビジネストレンド2017

宙畑のサイトをオープンしてすぐ、2017年に着手したのは、世界にどんな宇宙ビジネス企業があるかを可視化するという作業でした。

当時は今と比較して、「宇宙ビジネス」という言葉が日本で一般的ではなく、日本語で世界の宇宙ビジネスやベンチャー企業について説明したコンテンツもほとんどない状況でした。

そこで、自分たちで英語のソースにあたりながら、日本語で解説を加えていました。
1位にランクインしている宇宙ビジネス業界マップは、その後も改訂を加えながら、多くの方にご利用いただいています。

この業界マップの作成するための下準備として、アメリカと日本の宇宙ビジネスベンチャーをまとめた記事(2位と3位にランクイン)を作成、さらにリモセンと衛星通信に分けてそのビジネスと代表企業を紹介しました。

宇宙ベンチャーは日本でも世界でもこの後、爆発的に増えていくことになったので、一つの記事でまとめられていたのは、この時期だったからとも言えるかもしれません。

5位にランクインしている、人工衛星を利用した地球の調べ方は編集部の一人が地球観測衛星に詳しかったために作成した記事で、この記事ともう一つの記事(1時間で完成! 0から始める衛星画像の作り方)で、編集部内に衛星データへの興味が広がるきっかけになった記事でもありました。

2018年年間記事PVランキング

?第1位 日本の一次産業はほんとに厳しいの?高齢化先進国としての未来とテクノロジーの進歩

?第2位 光の波長って何? なぜ人工衛星は人間の目に見えないものが見えるのか

?第3位 運用終了まであと4年? 国際宇宙ステーション(ISS)と「きぼう」の新展開

第4位 衛星データのキホン~分かること、種類、頻度、解像度、活用事例~

第5位 人工衛星から人は見える?~衛星別、地上分解能別・地方時まとめ~

第6位 よく聞くジャイロってどういう意味? 第29回「今週のSPACE ENGLISH」

第7位 温暖化で注目!北極海航路の現状とメリデメ、衛星で将来性を検証

第8位 衛星データが無料でいじれる!衛星画像解析フリーソフト5選

第9位 日本全域で0円~38.87億円!? 衛星画像・データの価格まとめと今後の展望

第10位 衛星が撮影した夜の地球「夜間光」がお金に変わる!? 概要と利用事例

2018年は、宙畑が衛星データプラットフォーム「Tellus」にオウンドメディアとしてジョインし、本格的に衛星データ利用分野に注力した年でした。

専門家向けの教科書やサイトを参考に勉強しながら、正しさを損なわない範囲で可能な限り一般の方にもわかりやすい言葉と形で、波長とは何か、衛星データとは、解像度、値段、解析に使えるフリーソフトなど、記事にまとめることをひたすら繰り返していた1年でした。

また、10位にランクインした、学びながら実際に手を動かしていく必要があるということで、宙畑メンバーが気になったヒト・モノ・コトを衛星画像から探す不定期連載「宇宙データ使ってみた-Space Data Utilization-」を始めたのもこの年です。
専門家の観点では正確ではないかもしれないけれど、衛星データがこんな面白いことに使えるかもしない!とお伝えできるような例になっていれば良いなと思います。

2019年年間記事PVランキング

?第1位 月面着陸から50年!アポロ計画の歴史と功績、捏造説の反証事例

?第2位 日本版GPS「みちびき」の今!世界初・センチメートル級の高精度測位サービスの可能性

?第3位 月から地球へ帰還する方法とは?幻のアポロ司令船を追う

第4位 富士山が見える場所はどこまで?標高データから解析!

第5位 合成開口レーダ(SAR)のキホン~事例、分かること、センサ、衛星、波長~

第6位 コスト100分の1へ、再使用ロケットが壊す宇宙の常識と残る課題

第7位 なぜ月面着陸はテレビ中継できたのか?アポロ計画の天と地を結ぶ地上局

第8位 まさに目からウロコ! 衛星データで見つけた漁場の釣果が凄かった

第9位 人工衛星って何ができるの? 本当の意味で子供にもわかるように説明してもらう

第10位 アポロ計画からみる宇宙のトイレ事情!宇宙船トイレの発展の歴史

宇宙開発史としては、アポロ計画で人類が月面着陸してから50年の節目となった2019年は、約1年間の長期に亘るアポロ連載を実施しました。ランキングの中では1、3、7,10位にランクインし、多くの読者の皆さんに興味を持っていただく連載となりました。

また、衛星データ利用分野では、専門家の方々とタッグを組ませていただく機会を得て、衛星データ関連記事がパワーアップしていきました。

第4位の富士山が見える場所解析は早稲田大学の永井先生、第5位のSARのキホンではRESTECの向井田さん、永野さん、第8位の釣りの記事では元村さんにご協力いただき、より踏み込んだ解析が実施できるようになってきた年になったのではないかと思います。

また、宇宙ビジネスの文脈ではSpaceXによる再使用ロケットFalcon9が商用ロケット打ち上げサービスとして着実に実績を重ね、ロケットベンチャーの競争が活発になる中、再使用ロケットが本当にコストダウンにつながるのか、考察した記事が第6位にランクインしています。

2020年年間記事PVランキング

?第1位 【保存版】課題から探す機械学習の最新事例52選

?第2位 宇宙にはいくらで行ける?「宇宙旅行ビジネス」の現状と目的地別の費用、代表企業まとめ

?第3位 アルテミス計画総まとめ! 2020年代の月面開発はどこまで進むのか

第4位 深刻化する「宇宙ごみ」問題〜スペースデブリの現状と今後の対策〜

第5位 【データサイエンス入門】Pythonでテーブルデータを扱いたい人のためのライブラリまとめ

第6位 Kaggle上位ランカーの5人に聞いた、2019年面白かったコンペ12選と論文7選

第7位 オープンデータ活用事例25選とおすすめデータセットまとめ【無料のデータでビジネスをアップデート! 】

第8位 国際宇宙ステーション(ISS)では何をしている?「宇宙実験」の概要と事例紹介

第9位 GIS(地理空間情報システム)の基本~できること、活用事例、GISデータ、ソフト~

第10位 宇宙強国なるか?中国の宇宙開発の今~ロケット、衛星、探査計画、予算~

2020年は、政府が進める宇宙開発でも民間が進める宇宙ビジネスでも、宇宙空間の利用が注目を集めた年でした。

ポストアポロ計画として本格的にこの前年から動き出したアルテミス計画は2024年に有人月面着陸を目指し、2028年までに月面基地の建設を開始するというNASAのプロジェクトです。日本人初の月面着陸が実現されるのではないかと注目を集めています。

民間では第二位にランクインした「宇宙旅行ビジネス」分野では、各社のサービス開始が2020年とされ、大きな注目を集めました。実際には各社のサービス開始は2021年となりましたが、宇宙旅行が民間人の手の届くところまで来ていることを感じる年だったのではないでしょうか。

衛星データ利用分野では、宙畑編集部として機械学習との組み合わせに注力した1年でした。

第6位にランクインした、機械学習のコンペであるKaggleの上位ランカーの方にご協力いただき、2019年に面白かったコンペと論文をまとめた記事をはじめとして、数多くのデータサイエンティストの方にご協力いただき、宙畑として機械学習を使った衛星データ解析の記事を増やしていった1年となりました。

2021年年間記事PVランキング

?第1位 SpaceXが世界中にインターネットを届けるStarlink(スターリンク)とは!? 通信速度や市場規模まで徹底解説

?第2位 スサノオ神社がある場所は水害に遭いにくい? 御祭神に注目して衛星データで都内を見てみた

?第3位 SDGsとは?ESGって何? 事例と合わせて分かりやすく解説

第4位 【スマートシティとは?】トヨタを含む国内外11事例と関連技術を分かりやすく解説

第5位 【宇宙産業は”夢”なのか】宇宙産業の今と2050年を予測する3つの文献

第6位 デジタルツインとは~シミュレーションとの違い、解決する課題、企業・国・都市の事例、注目データ~

第7位 Kaggleランカーの9人に聞いた、2020年面白かったコンペ9選と論文9選

第8位 おすすめ宇宙映画7選とNASAが宇宙映画に協力するワケ、今後の宇宙映画撮影の展望

第9位 地理空間情報を扱うなら知っておきたいPythonライブラリ、GeoPandas入門~基礎編~

第10位 この秋、衛星データビジネスの今と未来を語るイベント「Tellus SPACE xData Fes.2021」を開催!

第一位にランクインしたのは、Starlinkの具体的なスペックやビジネス構想をまとめた記事です。2017年に「構想」として紹介していた通信衛星コンステレーションサービスのひとつ「Starlink」がβ版を2020年12月に開始しました。SpaceXは宇宙ビジネスの話題を常に作り続けています。

また、「SDGs/ESG」「スマートシティ」「デジタルツイン」など、衛星データ利用分野における重要なキーワードについてまとめた記事もランクイン。

並ぶキーワードを見ていただけると分かる通り、衛星データは今後の未来を構築する上で、必要不可欠な要素になりつつあります。

まとめ

以上、2017年から始めた宙畑の記事をランキング形式でご紹介しながら、宇宙ビジネスのこの5年の変遷について振り返りました。

宙畑を開始した当初は、宇宙ビジネスに関する基本的な知識を日本語で得る場が少なく、そういった記事を、一つずつ編集部としても勉強しながら整備を進めていた状況でした。

時が経つにつれ、少しずつ宇宙ビジネスや衛星データの認知度が高まり、宙畑の中でも基本的な記事のラインナップが揃った事から、外部の方の協力もいただきながら少しずつ宇宙ビジネスの外の領域や、宇宙ビジネスの中でもより踏み込んだ内容を扱うことが多くなって来たように思います。

また、5年間を振り返ると当初、漠然と構想として紹介していた「通信衛星コンステレーション」や「宇宙旅行」が実現しつつある世の中が来ており、宇宙ビジネスがまさに今、加速していることを実感しています。

5年前、荒唐無稽にも思われたビジネスが実現しつつあるということは、次の5年で私たちはさらなる宇宙ビジネスの飛躍を目にすることになるのかもしれません。

宙畑としても、良い記事がお届けできるよう、取り組んでいきたいと思います。